今回は、「子会社債務の弁済等」についてです。

先日、顧問先より、「子会社の再建が困難となりましたが、子会社の債務について、親会社が弁済することは法的に問題となるでしょうか。」との質問を受けました。

子会社の顧客は、親会社の信用をもって、子会社と取引関係に入っていることが多いです。
そのため、子会社の再建が不可能な状況であったとしても、親会社として子会社の債務を肩代わりした上で、子会社を清算させる必要性が生じる場合があります。
上記のような「子会社の債務引受け」という経営判断について、取締役等の善管注意義務違反(会社法330条・民法644条)となるかが法的には問題となり得ます。

いわゆる経営判断の原則に照らして、取締役の意思決定の過程や内容が明らかに不合理といえるかが判断されます。
この点、子会社の清算を目的とする弁済については、親会社において、子会社株式の価値毀損や融資の回収不能といった具体的な損失が生じます。
そのため、債務引受けをすることについて一定の経済的リスクはありますが、他方で、債務引受けをしないことによって、親会社を含めたグループ全体が被る損失についても考慮する必要があります。

なお、子会社債務の引き受けについて、税務上、「寄附金」ではなく「損金」と認定される場合があります。
この点、法人税基本通達9-4-1では、骨子として「法人が・・・子会社等のために債務の引受け・・・をした場合において、・・・相当な理由があると認められるときは、その損失負担等により供与する経済的利益の額は、寄附金の額に該当しないものとする」としています。
税務上において「損金」と認められるからといって、法的に「善管注意義務違反がない」とまでは言い切れませんが、一定の証拠資料にはなり得ます。

以上の通りですが、子会社債務の弁済等について、少しでもご参考になりましたら幸いです。

子会社債務の弁済等
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