今回は、「GoToトラベルの会社対応」についてです。

先日、弁護士ドットコムより依頼を受け、
「GoToトラベルの地域共通クーポンは一体誰のものになるか。
また、クーポンの利用が禁止されている会社で、万一使ってしまった場合、懲戒処分などの対象になってしまうか。」
等について、ウェブ上でコメントさせて頂きました。

https://www.bengo4.com/c_5/n_11866/

上記の対応について、皆様のご参考になる部分もあるかもしれませんので、同コメントを引用抜粋させて頂きます。

まず「GoToトラベル」事業については、2020年10月現在においてもサービス対象が変更される等、制度自体が刻々と変化している状況にあります。
そのため、将来的には異なる解釈もあり得る前提において、現時点での考え方をお伝えします。

まず出張費は会社の経費として会社が負担しているでしょうから、「地域共通クーポン」は出張業務から派生していると考えられ、一旦は会社に帰属すると考えるのが自然と思われます。
そのため、従業員が「地域共通クーポン」を会社に無断で使用することは、対会社との関係では望ましくないでしょう。
そうであれば、利用が禁止されている会社において、従業員が万一使用してしまった場合には、懲戒処分の対象になってしまう可能性があることは否定できません。

しかし、実際の運用において、地域共通クーポンは翌日までしか使用できず、当該出張社員が使用しなかったとしても、会社に損害が発生する可能性は低いでしょう。
また従業員の福利厚生目的として「地域共通クーポン」の利用を認める会社の方が一般的ではないかとも思います。

そうなると、仮に従業員が利用禁止規定に違反したとして、会社としてどの程度の懲戒処分まで行うことが相当と言えるのでしょうか。
「GoToトラベル」事業が税金で負担されていることや会社の規則に違反している点を重視すれば重い懲戒処分もあり得るかもしれませんが、地域の飲食店を応援する趣旨からすれば重い処分は不適切のようにも感じます。
法的には利用禁止規定があるのに従業員が使用してしまっても問題ないとまで言うことはできませんが、会社として懲戒処分を行う場合には、従業員の悪質性や違反の程度に伴った相当な内容が妥当すると考えるべきではないでしょうか。

以上の通りですので、少しでも参考になりましたら幸いです。

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