今回は、「配偶者への特別受益(改正相続法)」についてです。

先日、顧問先より、「相続人に生前贈与したとしても、死亡後には特別受益として結局相続財産として扱われてしまうと聞いたのですが、本当でしょうか。」との相談を受けました。

この点、「特別受益」とは、相続人の一人が、被相続人から受けた遺贈又はある一定の種類の贈与のことを言います。
このような特別受益があった場合に、それを無視して遺産の分割をすれば、相続人間で不公平が生じてしまいます。
この不公平を解消するのが「特別受益の持戻し」であり、特別受益分を相続財産に(計算上)戻し、相続人間で不公平が生じないように調整されます(民法903条1項参照)。

しかし、「特別受益の持戻し」は、被相続人の意思表示によって免除することが可能です(民法903条3項)。
具体的には、被相続人Aが妻Bに対して生前に居住用不動産を贈与していた場合に、「Bに対する贈与は相続財産に持ち戻さなくてよい」等の意思表示をすれば、その不動産は(計算上)相続財産には持ち戻されることはありません。

上記に加えて、相続法の改正によって、以下の3つの要件を満たした配偶者相続人については、被相続人の持戻し免除の意思表示が「推定」され、被相続人の意思表示を要せずに、配偶者相続人が保護されることになりました(民法903条4項)。

1、夫婦の一方から、他の一方に対してする遺贈又は贈与。
2、上記1の夫婦の婚姻期間が20年以上にわたる。
3、遺贈又は贈与の対象物が、居住の用に供する建物又はその敷地。

上記改正法は2019年7月1日より適用されていますが、遺贈又は贈与の時期が、2019年7月1日以降であり、かつ被相続人が2019年7月1日以降に死亡した場合に限って、改正法が適用される(改正附則4条)ことに注意が必要です。

配偶者への特別受益(改正相続法)
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