先日、顧問先企業よりクーリング・オフに関する質問がありました。
そもそも契約が有効に成立している場合に、後から遡って無効とするには、何らかの合理性ある理由が必要です。
そうであるのに、クーリング・オフ制度を適用して、理由を問わず契約を解除できるとしたのは、一定の場合に消費者を保護すべきと考えられたからです。
そのため、あくまで一旦成立した契約は有効であることが大原則であり、クーリング・オフ制度などが認められることによって契約が解除できることは例外に過ぎないことが重要です。
この点、近年インターネットを利用した通信販売が増加しており、2009年の特定商取引法改正によって、通信販売で商品等を購入する際に、返品の可否・返品の条件・返品に係る送料負担の有無等を表示していない場合は、8日間「送料を消費者が負担する」ことにより返品が可能となりました。
上記規定はクーリング・オフ類似の制度と言えますが、クーリング・オフ制度そのものではないことに注意が必要です。
クーリング・オフ制度も上記類似制度も細かな条件が規定されているため、大まかな紹介しかできませんが、特にウェブを利用した取引を行う場合には、どのような法律によって明示条件が義務化されているか等を十分に注意されることをお勧め致します。
クーリング・オフと通信販売