震災によるリスクをできる限り分散すべく在宅勤務制度などを導入する企業が増えています。

その影響もあって、各顧問先より「残業代制度」等に関するご相談を受けることが多くなっています。

同制度を整備するに当たって多くの法的検討事項がありますが、その中でも定められた労働時間外の業務については解釈が難しい場面が多いと言えます。

法的解釈については、各事実関係を詳細に確認しなければ一律に回答することは難しいのですが、平成20年7月28日の厚生労働省によるガイドラインは非常に参考になります。

情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施
のためのガイドラインの改訂について

特に上記ガイドライン3(2)イ(イ)によれば、「みなし労働時間制が適用されている労働者が、深夜又は休日に業務を行った場合であっても、同労働について労働者から事前申告がなかった又は事前に申告されたが許可を与えなかった場合であって、かつ、労働者から事後報告がなかった場合については、一定の条件のもとに、使用者の関与なく行われたと評価でき、労働基準法上の労働時間に該当しない。」という解説があります。

簡単に言えば、労働者より時間外労働をしたと後から主張されたとしても、会社としては事前又は事後の適切な報告もなかった場合には認めることはできないという対応が可能ということになります。

もちろん各企業として手続的な整備をきちんとした上での対応にはなりますが、残業代請求に関する対応の一助として頂ければと思います。

在宅勤務等に関する残業代
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