今回は、「バックペイと中間収入の控除」についてです。
先日、顧問先より、「解雇をした社員から解雇無効で争われていますが、既に別の会社で働いているようです。どのように争えばよいでしょうか。」との質問を受けました。

まず、仮に裁判所において解雇無効と判断された場合には、「解雇期間中の賃金の全額」を支払わなければならないのが原則です(民法536条2項)。
しかし、解雇期間中に当該社員が他の会社等から得た収入(中間収入)について、一切考慮されないのも公平とはいえません。

そこで、判例は、解雇期間中の賃金額から、平均賃金の4割までは中間収入を差し引くことができるとしました(最判昭和37年7月20日)。
基本的には、労働者は他に就職して収入を得ている場合には、全てを償還すべきとしつつも、労働者の最低生活の保障の観点から、使用者は6割に当たる賃金については支払わなければならないと判断しています。

なお、従業員において、解雇された会社において全く就労する意思がないと評価できる場合(就労する意思を確定的に放棄したと認められる場合等。東京地判平成21年1月30日)は、それ以降の賃金請求権は発生しないと考えられています。
以上の通りですが、少しでもご参考になりましたら幸いです。
バックペイと中間収入の控除
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