今回は、「所有者不明土地の買い取り」です。 先日、顧問先より、「隣地を買い取りたいのですが所有者が分かりません。買い取ることはできないのでしょうか。」との質問を受けました。 まず、所有者の特定や捜索をする必要がありますが、不動産登記簿等の公の情報からは事実上限界があります。 そのため、調査によっても判明しない場合は、当該不明者について相続財産管理人(民法952条1項)や不在者財産管理人(民法25条1項)の選任を申し立てる方法があります。 その上で、権限外行為許可(民法28条・同953条)を取得した同管理人との間で隣地の売買契約を締結するという方法があり得ます。 しかし、財産管理人の選任を申し立てることができる「利害関係人」について、土地の取得を希望しているに過ぎないという場合には該当しないものと考えられていました。 そうしたところ、改正民法により新たに創設された所有者不明土地管理制度(民法264条の2第1項)においては、民間の買受希望者についても排除されるものではないとの考えが示されています。 その上で、当該売買契約の締結が土地の管理に資するものであると評価される必要があり、その判断においては、当該土地の性質、従前の管理状況に加え、購入希望者の取得希望理由や代金の支払能力等が考慮されます。 異なる視点ですが、所有者の氏名等について、行政からの情報提供を受けるという手段もなくはありません。 原則として、自治体は、個人情報保護条例の制約から、不動産所有者の氏名等の個人情報について、本人の同意なく外部の第三者に提供することはできません。 もっとも、自治体としても空き家等が放置される状況は好ましくはないため、自治体が所有者に連絡を取り、本人の同意を得た上で情報提供に応じてくれる場合もあり得ます。 以上の通りですが、所有者不明土地の買い取り等に関して、少しでもご参考になりましたら幸いです。
所有者不明土地の買い取り


