今回は、「社債と利息制限法」についてです。
先日、顧問先より、「社債の発行を検討しているのですが、利息の制限等はあるのでしょうか。」との質問を受けました。

まず、社債ではなく、単純な金銭消費貸借の場合には、利息制限法の規定(元本の額が100万円以上の場合、利率は年15%)を超える利息については無効となります。

社債は、株式と関連付けたものなど様々なバリエーションがありますが、普通社債については単純な金銭債権という性格が強いです。
そのため、社債にも利息制限法が適用されるのかが問題となり得ます。

この点、最判令和3年1月26日にて、「社債については、特段の事情のない限り、利息制限法は適用されない」旨、判示されました。
社債発行について利息制限法で制限することは、会社法が会社の円滑な資金調達手段として社債制度を設けた趣旨に反するとしました。
もっとも、不当に高利を得る目的で会社に働きかけて社債を発行させるなど利息制限法の潜脱を目的とする場合など特段の事情がある場合には、利息制限法の趣旨が妥当するともしています。

上記は、下級審裁判例であった議論について、最高裁の判断が示されたものであり、重要な裁判例といえます。
会社経営における社債発行に関しまして、少しでも参考になりましたら幸いです。

社債と利息制限法
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