先日、顧問先より、ある土地を倉庫として借りる際に、どのような内容で契約を交わすことが当社にとって良いでしょうかという相談がありました。
様々な事情を考慮しまして、事業用定期借地権を利用することが顧問先に最も適していると考えまして、その旨アドバイスさせて頂きました。

なお、数年前にも本稿等で定期借地権について説明させて頂きましたが、その後法改正がありましたので、今回は事業用定期借地権について説明させて頂きます。

事業用定期借地権とは、定期借地権の一種として、事業の用に供する建物の所有を目的として利用できる定期借地権です。
平成20年の借地借家法改正によって、事業用定期借地権は従前の「10年以上20年以下」から「10年以上50年未満」に延長されました。

事業用借地権の場合、借地人は、借地期間の満了時に、建物を取り壊して更地にして土地を返還しなければなりません。
そのため、事業用借地権を利用する借地人は、長くても20年後には更地にして返還しなければなりませんでした。

しかし、現在、事業用で利用する場合は、その期間に応じて、10年以上50年未満では事業用定期借地権、50年以上では一般定期借地権を利用できます。
その意味で、実質的には事業用に関する期間の上限が撤廃されたとも評価できます。
このように事業用借地権の存続期間が拡大されたことで、貸主である土地所有者、借主である企業の双方にとって、様々な必要性に応じた借地期間の設定が可能となりました。

土地所有者の立場からすれば更地返還が予定されることで土地を貸しやすくなりますし、企業である借主にとっても長期計画が立てやすくなります。

全ての場合においてメリットがあるわけではありませんが、今後土地所有者として法人に賃貸する場合はもちろん、法人として事業用で土地を借りる場合においても、一つの選択肢として参考にして頂ければと存じます。

事業用定期借地権
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