インターネット上で様々なサービスが提供されるようになり、顧問先より、書面に基づく契約書だけではなく、ウェブサイト上での契約やサイト利用規約等に関する相談を受ける機会も多くなってきました。

この点、ウェブサイト上における契約において、書面での契約書と同様の法的効果が発生する場合も多いのですが、書面に基づく契約書とは異なる注意点も多くあります。
そのような注意点の1つとして、ウェブサイト上で契約を締結する場合、本人確認が困難である点が挙げられます。

具体的には、例えば、サイト運営者にとって、本当にユーザー自身が利用規約への同意ボタンをクリックしたか否かを確認することは困難と言えます。

万が一、全くの別人が同意ボタンなどをクリックしていたとすれば、契約は有効に成立しないことが原則であり、無権代理など法的解釈によって責任を負う場合があるに過ぎません。

しかし、時代の流れに伴い、事業のスピード感等を重視すれば、ウェブサイト上の契約やサイト利用規約を利用することは必須になっていく可能性が高いと言えます。

そして、あくまで法律的には口頭でも(書面でなくても)契約が成立する以上、ウェブサイト上における契約がますます増えていくことになると予想されます。

なお、本人確認以外の点についても、ウェブサイト上の契約においては、書面に基づく契約書とは異なる様々な注意点がありますが、経済産業省が公表している「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」は非常に有用ではないかと存じます。

http://www.meti.go.jp/press/2012/11/20121120001/20121120001-3.pdf

但し、本準則はあくまで経済産業省の考え方にすぎず、後日の裁判において、裁判所が本準則と全く同じ判断をするとまでの確証がないことには十分な注意が必要です。

従いまして、ウェブサイト上の契約等を利用する場合には、上記の点などに注意しながら対応することをお勧め致します。

ウェブサイト上の契約合意
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