不正競争防止法では、営業秘密の不正取得・不正使用・不正開示行為等を不正競争行為と規定し、同行為を制限しています。

この点、営業秘密の範囲については、経済産業省の「営業秘密管理指針」にて定義され、

(1)秘密として管理されていること(機密管理性)、

(2)事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること(有用性)、

(3)公然と知られていないこと(非公知性)

の3つの要件を満たす必要があるとされています。

上記指針に法的拘束力はありませんが、裁判所においては上記要件が重要な判断材料とされ、要件を満たしていないために営業秘密と認められなかったケースも多くございます。

しかし、特に中小企業にとっては、上記要件に基づき、例えば情報へのアクセス制限や独立した秘密管理部署を設置することは非常に困難です。

そこで、経済産業省は、上記要件(1)について見直しを決定したとのことです。

具体的には、全ての企業に一律の管理手法を求める現行指針を改め、業種や企業規模等の経営実態に応じて管理水準を弾力的に設けることを検討しているとのことです。

上記改正により、従来よりも幅広い範囲の企業情報が営業秘密として保護される効果が期待されます。また同時に、他社の企業情報に対しては、より慎重に取り扱う必要も生じてくるものと存じます。

営業機密指針の見直し
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