先日、顧問先より、「社員の採用過程について、AI導入を検討しているのですが、法律的な注意点などはありますか。」との質問を受けました。

最近は採用業務でAIを活用する企業は増えています。
応募者の書類選考、適性評価、面接動画の分析など、AIは採用の効率化に役立つ一方で、運用を誤ると「差別的な選考」を行ったと評価されるリスクがあります。
企業としては、AIを導入したこと自体よりも、その結果として不合理な差別や不透明な選考が生じていないか等を確認する必要があるでしょう。

まず問題となるのは、AIが過去の採用実績を学習することで、過去に存在した偏りをそのまま再生産するおそれがある点です。
たとえば、過去の採用者に男性が多かった企業で、そのデータを基にAIが学習すれば、女性候補者に不利な評価が生じる可能性があります。
性別そのものを入力項目にしていなくても、職歴、居住地、学校歴、話し方などが代替指標となり、結果として特定の属性の応募者を不利に扱う場合があるでしょう。

また、AIによる採用選考では、情報収集の範囲にも注意が必要です。
職業安定法上、採用に当たり、本人の適性や能力と関係のない事項を収集してはならないとされています。
AIツールがSNS上の発言や行動履歴から思想信条、家庭環境、健康状態などを推測し、それを選考に反映させるような運用は、企業にとって大きな法的リスクとなり得ます。

以上の通りですが、少しでも参考になりましたら幸いです。

AIによる採用選考
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