1、事案の概要

ビルオーナーが大規模改築時に金融機関から数十億円の融資を受ける必要があった。
通常の力関係であれば、金融機関主導で融資条件が決定しまいがちではあるが、本件では財務内容の良い優良会社でもあり、担保価値の高いビルを所有していたことから、各金融機関で条件提示の競争になった。
最も取引可能性の高かったメインバンクとも言える金融機関と折衝を継続していたところ、口頭では依頼会社へ責任追及しない、銀行が責任を取ると言うものの、書面では責任を回避する条項しか記載できない点が多くなった。
そこで、当職が代理人として依頼会社の社長様と金融機関との交渉に立ち会い、契約内容の文言の詰めの作業を対応した。
最終的に最もハードな交渉をした金融機関ではない銀行と取引することになったが、A銀行の言うままに契約書にサインしないで良かったと社長には喜んで頂けた。

2、本件のポイント

融資金額も多く、社長が連帯保証人になることが前提の取引であったものの、金融機関の対応が極めて杓子定規ではありました。
口頭では責任を追及することはしませんと言いながら書面化はできないというやり取りを何度も繰り返しました。
本件では他の金融機関も取引したい優良会社ではあったとは言え、金融機関が契約内容を譲歩することはそれほど多くないかもしれません。
しかし、法的な専門家の力を利用して、できうる限りの交渉をすることで、最終的に依頼会社にとってよりベターな選択をすることができたと思います。

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