賃貸借契約における連帯保証人の明渡義務
先日、顧問先より「賃借人が行方不明になってしまいましたが、連帯保証人に賃貸物 件の明渡を請求することは可能でしょうか」とアドバイスを求められました。
この点、裁判例において、「建物明渡義務は賃借人の一身専属的な義務であって、保 証人が代わって明渡を実現できない。建物明渡についての保証債務は、明渡の不履行 により、この義務が損害賠償義務に変ずることを停止条件として効力を生ずる」等と 判示されています(大阪地方裁判所・昭和51年3月12日)。
上記裁判例を考察すれば、連帯保証人に明渡義務はないと解釈され、連帯保証人に対 して賃貸物件の明け渡しを請求することは困難と考えられます。 また、賃貸借契約書に「賃借人が行方不明になった場合は、連帯保証人が賃借人に代 わって物件を明け渡す。」等の規定もありますが、上記裁判例の趣旨からすれば、無 効と判断される可能性があることにも十分注意が必要です。
以上より、上記裁判例を重視すれば、連帯保証人に対して明渡義務までは認められな い可能性が高いものの、賃貸人として明け渡しを受けることができなかった期間の金 銭的な損害(賃料等)については十分に請求可能であると解釈することになろうかと 存じます。
一つ前の記事は「契約書の法的チェック」です。
次の記事は「民事再生手続における別除権」です。














