2008年3月アーカイブ

中小企業の場合、事業承継を円滑に進めるためには、経営者が保有する株式等の事業用資産を後継者に集中的に取得させることが重要事項の一つであると考えられています。
しかし、オーナー経営者の個人資産の大部分が自社株式等の事業用資産の場合、上記事業用資産の後継者への移転が、他の相続人が有する遺留分等の民法上の制約により実現できないケースも多くございます。

そこで、上記制約を解消すべく「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」が国会に提出されました。
上記法律案では、民法上の遺留分に関する特例を定めています。
すなわち、一定の要件を満たす後継者が、遺留分権利者全員との合意及び所定の手続きを経ることを前提に、下記の民法の特例を受けることができます。
(1)生前贈与株式を遺留分の対象から除外する
(2)生前贈与株式の評価額を予め固定する
この特例により、後継者は自社の事業用資産を集中的に取得でき、先代経営者から事業承継した後も、安定した企業活動を遂行することが可能となります。

上記法律案では、民法上の特例以外にも、相続税納税猶予制度や金融支援制度の特例が設けられますので、中小企業の事業承継における相続等の問題解消の一助になるものと期待されます。

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不正競争防止法では、営業秘密の不正取得・不正使用・不正開示行為等を不正競争行為と規定し、同行為を制限しています。
この点、営業秘密の範囲については、経済産業省の「営業秘密管理指針」にて定義され、(1)秘密として管理されていること(機密管理性)、(2)事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること(有用性)、(3)公然と知られていないこと(非公知性)の3つの要件を満たす必要があるとされています。
上記指針に法的拘束力はありませんが、裁判所においては上記要件が重要な判断材料とされ、要件を満たしていないために営業秘密と認められなかったケースも多くございます。

しかし、特に中小企業にとっては、上記要件に基づき、例えば情報へのアクセス制限や独立した秘密管理部署を設置することは非常に困難です。
そこで、経済産業省は、上記要件(1)について見直しを決定したとのことです。
具体的には、全ての企業に一律の管理手法を求める現行指針を改め、業種や企業規模等の経営実態に応じて管理水準を弾力的に設けることを検討しているとのことです。

上記改正により、従来よりも幅広い範囲の企業情報が営業秘密として保護される効果が期待されます。また同時に、他社の企業情報に対しては、より慎重に取り扱う必要も生じてくるものと存じます。

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