2007年8月アーカイブ
企業が、新商品の販売やサービスの提供を開始する際、当該新規事業が法令違反に該 当するリスクがないか適切な判断ができず、有望なビジネスチャンスを逃してしまう ケースもございます。
上記対策の一つとして、平成13年頃(各省庁により異なります)より運用されている 「行政機関による法令適用事前確認手続」を活用することができます。 具体的には、当該事業の監督省庁に対し、事業や取引の実施が無許可営業に該当する か否か、業務停止や免許取消処分等を受けるか否か、事業開始に伴い義務を課せられ たり権利を制限されたりしないか等を照会することができます。 例えば、金融庁の場合には、照会書の提出から30日以内に、見解及び根拠を明示した 回答書が発行されます。
上記手続の活用は、新規事業開始にかかる法的リスクを軽減するための一方策として 検討できるものと存じます。
阪神大震災を教訓にして、平成7年にいわゆる耐震改修促進法が制定され、各都道府 県及び特定不動産の所有者は、耐震診断を実施し、当該建物の改修に努めるよう求め られています。しかし、特に賃貸物件の場合、そのために必要とされる改修費用を負 担するのは誰かという点が問題になることが多くございます。
そもそも民法606条では「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務 を負う」とされているため、賃貸人が費用を負担することが原則になります。しか し、老朽化した建物は賃料が低額であること等から、賃貸人が改修費用を全額負担す ることが困難な場合も想定されます。
この点、賃貸借契約において費用負担等に関する特約を設けることができます。そし て、屋根・壁・柱・土台等建物の主体部分については賃貸人が負担すべきとされてい ますが、特約に基づき一部費用の賃借人負担が認められる場合もございます(東京地 方裁判所・平成3年5月29日判決)。
このように、建物の維持管理のため必要な範囲で特約を設置することで、老朽化した 建物の修繕・改修に掛かる多額の費用の問題をクリアするとともに、建物の安全性を 担保することが可能になります。従いまして、今後の賃貸借契約においては、上記特 約の設置を検討することをお勧め致します。但し、賃借人に不利な条項については無 効とされる場合がありますので、この点には十分な配慮が必要です。














